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Apple Developer Programの年間費用をクレジットカード以外で支払う方法【opinions】

 

今回は、実際の使用感にも言及しながら発売開始されたばかりの「iPad Pro」を取り上げることを予定していました。当社では評価用にiPad Pro本体(Celullarモデル)、Apple Pencil、Apple Smart Keyboardのフルセットを発注しているのですが、ちょっとした手違いで最速入手が適わず、現在まで本体にすら十分に触れることができていません。そのため、iPad Proについては次回に延期とさせていただきます。

よって今回はいつもと方針を変えて、iOSアプリを開発する際に必要となるApple Developer Programについて、あまり知られていない豆知識をご紹介したいと思います。

Apple Developer Programとは
2015年6月8日、Appleはそれまで「iOS Developer Program」「Mac Developer Program」「Safari Developer Program」としていたプログラムを、「Apple Developer Program」に統一しました。これにより、1つのメンバーシップだけで、iOS、OS X、watchOS用のアプリ開発・配布できるようになったわけです。また、従来あった「iOS Developer Enterprise Program」は「Apple Developer Enterprise Program」として更新され、Mac用アプリの開発リソースも利用できるようになりました。
Apple Developer Programの登録料は年間1万1800円、Apple Developer Enterprise Programの登録料は年間 3万7800円です(または現地通貨の同等額)。価格は地域によって異なることがあり、登録手続きの際は現地通貨で表示されます。

Apple Developer Programの料金支払いで直面する課題

Apple Developer Programはご承知のとおりiOSアプリを配布・配付するために必要不可欠なプログラムです。これはアプリ開発会社ではなく、iOSのアプリストアであるApp Store公開や社内業務利用を考えている企業が直接Appleと契約する必要があるものです。どちらのプログラムも有償で、価格は違いますが毎年クレジットカードで決済を行わなければなりません。

このクレジットカード決済が案外曲者だったりします。中にはクレジットカード決済は原則やらないという企業や、可能だけれども稟議が大変で時間がかかり過ぎるといった企業も存在するからです。

クレジットカード決済ができなければ、そもそもプログラムの契約ができません。また、稟議に時間がかかる企業の場合、(普通には考えにくいですが)万が一更新を忘れていて3日後にプログラムが期限切れする、といった更新がままならない可能性もあります。更新ができなければApp Storeのアプリは非公開状態になり、業務用アプリは使用できなくなりますので、事態は悲惨なことになります。

また、アプリ開発・配布・配付を外部委託する企業側にしてみれば、アプリを提供してくれる会社に支払を集約できるほうが都合が良い場合もあるでしょう。実際に当社のお客様もそうでした。アプリ開発部分は当社に、Apple Developer programはAppleにクレジットカードで、と2つに分かれるより、当社への支払いで1本にまとまらないかという要望をいただいたことがあります。

不都合なことに、Apple Developer Programは物理的な製品を購入するタイプの支払いではないため、銀行振込や代金引換という代替手段が使えません。何か良い解決策はないものかと弊社で採った策が次に紹介する方法です。

Apple Storeギフトカードを使って立て替える

Apple Online Storeで使えるギフトカードが存在するのをご存じでしょうか。よく目にするiTunes カードとはまた別物です。Apple Online Storeのほか、リアル店舗のApple Storeで利用可能なもので「Apple Storeギフトカード」と言います。これをApple Developer Programの契約決済時にも使用することができるのです。

デザインと金額を決めて電子メールで送ることができる

専用のサイトで、2500円から50万円の範囲で任意金額で購入できます。購入したギフトカードは電子メールで任意のアドレスに送ることができ、使用方法はApple Online Store上でメールに記載あるPINコードを入力するだけと非常にお手軽です。Amazonのギフトカードと同じような仕掛けと思ってもらえばいいでしょう。Apple Storeギフトカード購入時の支払い手段は、クレジットカード・銀行振込・コンビニ払込から選択できます。

ここまで書けばお気づき頂けるかと思いますが、Apple Storeギフトカードを介してApple Developer Programの契約料金分を自社で立て替えることで、お客様にクレジットカードを使って対応してもらうことなく契約処理を進められるというわけです。お客様との信頼関係がしっかり確立されている前提ですが、以下のような手順で進められます。

1. 自社でApple Storeギフトカードを購入する(立て替える)
2. 御客様にPINコードを入力頂きApple Developer Program契約決済をしてもらう
3. 自社から御客様に 1.のギフトカード金額分の請求を行う
4. 通常の取引条件で立て替えた金額を受け取る

もしApple Developer Programのアカウント管理そのものまで任されているなら、2.の手続きを代行し、3.の請求時に代行作業料を加算するようにしてもよいかもしれません。もちろんお客様の了承をいただく必要はありますが、当社ではそのように処理を行いお客様には大変喜ばれました。

要注意ポイントは、Apple Developer Programの年間料金表示は税別であるということ。例えばApple Developer Programは2015年11月現在で年間1万1800円となっていますが、購入するApple Storeギフトカードは消費税(8%)を加えた1万2744円分以上でなければなりません。

1万1800円ピッタリでギフトカードを購入してしまうと、Apple Developer Programの料金支払い時に消費税分が不足して決済できません。不足分944円のギフトカードを追加購入してあてがおうと思っても後の祭り。Apple Storeギフトカードは最低購入金額が2500円となっていますので、余分に支払うことになります。くれぐれも消費税の考慮は忘れないようにする必要があります。

いかがでしたでしょうか。iOSアプリ開発の現場で、御客様にクレジットカードを使用してもらうのが難しい場面にお試しください。

執筆者

大石裕一氏/1975年大阪生まれ。大阪府立大学工学部卒業後、ソフト開発会社にエンジニアとして入社。6回の転職でWindows/MacLinux組み込み系、ネットワーク系の開発やマネージャ経験を経て、2006年株式会社フィードテイラーを設立。エンタープライズiOS分野を得意とし、安易な新規業務アプリ開発を否とする考えを持つ。自社で開発したクラウド型ファイル共有サービス「SYNCNEL」を海外含む約200社に提供中