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優れたUI/UXを作るために必要なもの【期間限定公開】

お待たせして申し訳ありません。

この言葉で第2回目がスタートするってどうなのでしょう…。改めまして株式会社ジェナにてクリエイティブの統括をしている鈴木 勝則です。本連載を通して、BtoB業界での「最高のアプリをプロデュースするコツ」をデザイナーという視点から皆様にお伝えさせていただきます。まずは前回の宿題について。

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VOL.2 優れたUI/UXを作るために必要なもの


前回の記事では最後に以下のような宿題を出していました。

以下のお客様からApple Watchの導入相談をいただきました。予算感や規模感はこれから決めるので、最適な提案をしてほしいとのことです。

【クライアント情報】
・業種:ハイクラスのレストラン
・場所:銀座周辺
・客単価:30,000円前後
・料理:フランス料理/ワインなどを豊富に取り扱っている。お客様のほとんどがコースをオーダー

以下はお客様のご要望とヒアリング内容です。

【要望/ヒアリング】
・現在受付にiPadをおいて、予約情報を確認している
・各ホールスタッフにApple Watchを持たせたいが、レストランの雰囲気的に端末を操作している様子をお客様に見られたくない。そのためApple Watchを利用して、自然な所作で通知などができたらいい
・デバイスを導入して便利になるのはいいが、お客様への接客や会話もサービスの1つであるため、あまり近未来感を出さなくていい(テーブルにiPadなどをおいてオーダーをお客様にさせるのではなく、どんな料理でどんなワインに合うのかを、スタッフと話す現状のサービスは変えたくない)

改めて見ると本当にざっくりしていますね。やりたいことを整理してみましょう。

・自然な所作で通知などを行いたい
・接客というコミュニケーションをなくしてしまうアプリにはしたくない
・予約状況などの管理システムが既に存在する

こんなところでしょうかね? アプリの開発側からすると、通常はメニューアプリだとか、お客様の来店通知などを想像すると思いますが、私はこのお客様に対してこんなご提案をしたいと思いました。こちらの動画をご確認ください。

かなりハイスペックな提案になってますね。ただ、お客様のサービスの根幹である接客スタイルは変えずに、接客をさらに便利なものにできていると思います。ちなみに、このご提案のコンセプトは…ここちよさの演出です。

ITを利用すればできて当たり前のテーブルからの呼び出し対応なども、あえてお客様にその仕組が見えないように構成することで、お客様は「なぜいいタイミングで来てくれるんだろう」や「さすが銀座のお店は違う」といったシステムに対しての評価ではなく、接客に対する評価につなげることが可能となります。

っと、話が少しそれましたが、なぜこれをはじめの宿題にしたかと言いますと…、「UXとはスマートデバイスの中だけで考えることではない」というのを皆さんに少しでも感じていただきたかったからです。

UXは1でありすべて

まずは前回ご紹介した以下の図を思い出してみてください。

UIはUXの中の1つの要素でしかないということを表したものです。UXを考えるときに多くの人はデバイスの中の動きについて考えると思いますが、前回もお話したとおり、UXは「ユーザーの体験」です。

そのため、デバイスの中だけではなく、サービス全体がどのような体験を生むのかという点についてもデザインするべきだと私は考えています。もちろん、利用シーンやターゲットによって求めることは異なりますので、それらを考慮しどのデバイスにはどんなUIとUXが最適なのか、また、サービス全体を考慮したうえでどんなフィードバックが提供されるのが心地よいのかをデザインするということです。アプリ単体でみたときに、ユーザーに対して感動的な動きを与えることは大切ですが、アプリやそれに関連するシステム、または関連デバイス、すべてのUXが最適な状態で、最高のユーザー体験が生まれるのです。

もちろん、これは弊社クリエイティブのUXの考えです。こんな背景もあって、UXという要素の中に私はUIはもちろん、タイミングという時間の概念、そもそもの機能についてのデザインなどを含めています。UXの捉え方大きすぎって感じますか? ちょっと話が大きくなりすぎてデザイナーが考える領域を超えてるって感じますか?

確かにその通りかもしれません。ただ、最高のアプリとは「動きがかっこいいもの」でも「キレイに見えるもの」でも「使いやすいもの」でもありません。クライアントとなるユーザーが以下にここち良い体験ができるかという点ではないでしょうか?

そのためには、システムそのものの設計や、機能に関してもデザインを行い、ユーザーの利用シーンに対して最適なUXを提供することができているかを検討し、改善する必要があります。

少しハードルが高い。自分の業務範囲ではそこまで考えられない。と感じているあなたはぜひ、提案などを考える際に、このUXの考えを頭にいれて、一度俯瞰して現状やお客様の求めるものを見てみると、必ず今までになかった案が浮かんできますよ。ぜひ騙されたと思って妄想してみてください。

次回以降の連載について

さて、ここまでで大前提としてお伝えしたかったことを掲載できたと思いますので、次回からは、一旦アプリデザインにフォーカスをあてて、どんなインターフェイスが優れたUXを生み出すのかをお話できればと思います。

というわけで、次回までの宿題でございますが、業務系システムでよく見るこちら! 表形式のテーブル。運送会社の顧客一覧でしょうかね? こちらをスマートフォンで利用するにはどんなUIが最高のUXを生み出すでしょう?考えてみてください。


それでは、また次回。
次はそんなにお待たせしませんので。

 

執筆者

スズキカツノリ/株式会社ジェナ 取締役 クリエイティブディレクター 2006年からジェナにて共同創業者としてクリエイティブを統括。Webはもちろん、DTPやスマートデバイスアプリなど様々な分野でそのクリエイティブを発揮している。現在では、Pepperなどのロボティクス、Apple Watchなどのウェアラブルデバイス、BeaconなどのIoTデバイスを活用した、新たなUXの在り方を多様な業界のクライアントと共に創り出している。週末には3ound’s†(サウンズクロス)というグループでアーティスト活動を行っており、さまざまな表現方法でクリエイティブを発信し続けている。