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ある日突然アプリ発注担当に任命されたら。(前提としての心構え)【manual】

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Illust by 2g 

昨日までモバイルを使う側だった人が、アプリ開発を含む「情報戦略」を担い、提供する立場になった場合、知識や経験のないあなたは、いったいどうやって開発を進めていく必要があるのでしょうか? システム開発のイロハを教えるサイトや書籍は多々ありますが、どれも専門用語の理解やシステムの知識習得が多いように思います。コンテンツディレクターにそうした知識が絶対に必要ではないと考えています。
このコラムでは、アプリ開発を担当することになった1人の男性の物語を例に、専門用語の理解や、知識の習得ではないコンテンツの本質を見つめながら、企画から開発・テスト・リリース・その後までをどう実現していくか? だれでもわかる言葉で解説していきます。

第0話 ある日突然アプリ発注担当に任命されたら 

突然、アプリ開発ディレクターに
新規事業開発課長__吉田君、君を呼んだのはほかでもない。今度わが社が新規事業として取り組む“女性のためのリラクゼーションサロン事業”は知っているよね? 今回、君にこのサロンの顧客専用アプリの開発担当になって欲しいんだ。
吉田君__アプリ開発…ですか? 私は学生時代から生粋の文系人間で、少しプログラムを勉強したことはありますが、挫折しておりまして…、素人同然なのですが… 。
新規事業開発課長__だからだよ!わが社でコンピューターで物を作れる人間なんて君以外に居やしない。吉田君が一番詳しいであろうと見込んでの抜擢だよ!チャンスじゃないか!もちろんわが社に開発機能はないから、君の知識をフル活用して外注で完成まで導いてくれ!
吉田君__はぁ…。(チャンスというか…貧乏くじだよな…)
新規事業開発課長__リラクゼーションスペース事業の担当役員と打ち合わせをしてね。どういうアプリがいいか?ジャストアイデアのメモを後でメールで送るよ。これをもとに、アプリの骨子を固めて、開発業者を探して打ちあわせてから、見積もりを我々に提示してくれ。オープンまであと3か月しかないから、頑張ってくれ!期待してるよ!
吉田君__承知しました…。(よろしくな!って気軽にいうけど、俺だってわかんないよ…)
 企業アプリの開発をあなたが担当するかも!?

もし、あなたが吉田君のように急にアプリやWebサービスなどの開発ディレクションを任されたら、どうしますか? 全力で断る? いやいや、おそらくたいていの方は不安に思いながらも、やるしかないか…と半ばあきらめムードで引き受けるでしょう。

サービス向上に企業アプリを作る企業も増えてきました。新規事業の立ち上げと同時に、そのサービスの価値を上げるアプリの制作を、プログラミングのプの字も知らないあなたが、担当するケースも増えています。アプリは、プログラミングやさまざまなシステムとの連携が絡んでくるものが多く、ある程度業者と渡り合える知識がないと担当するのは難しいのでは…?と及び腰になってしまうのも当然です。

アプリ開発も、ものづくりの本質は変わらない

でも、立ち止まって一度考えてみてください。モノをつくるということはどういうことか?を。例えば料理なら、「カレー」がゴールとすると、材料は肉・じゃがいも・人参・たまねぎ・カレー粉・水・炒め油・塩が必要。何人前をつくるから、どれくらいの量が必要だろうか? プロセスとしては、材料を切って、炒めて、水を入れて煮てから、最後にカレー粉を入れる。あっご飯を炊くのも必要だ…。そして料理を盛る皿やスプーンも必要だ。などと考えて準備し、作るわけです。

これはアプリやシステム開発だって同じです。どんなシステムをつくりたくて、要素は何が必要か? どんな開発手順か? かかる時間は? 価格は? 使う人にどう使ってほしい? こうした必要な要素を集め、まとめてからスタートする。ほぼ同じです。でも、システム開発は、使う側と運用する側にいろいろな行動が絡んでくるため、少し複雑です。

ディレクターとして、何を身につけておくべきなのか?

「でも、システム開発なのだから、エンジニアやプログラマーと対等に渡り合える知識をつける必要があるよな…」

大方の人はこうしたことを考え、書店でプロジェクトマネジメントの本を手に取ったりする人もいるでしょう。確かに勉強するのはとてもいいことですが、その必要はありません。なぜなら、あなたがプログラミングやシステムのことを学んだところで、プロの会話に完璧についていくことは難しいし、時間がかかるのは目に見えていますから。

その代わりディレクターとして、

① 何を作るか?と、作るものの“軸”を決め
② 何か起こった際や決め事をする際は、 “軸”をもとに判断する

この2点に集中すればよいのです。システムエンジニアと同じ知識は必要ありません。それはプロに任せてしまいましょう。

少し安心できましたか? それとも不安になりましたか? 大丈夫です。笑顔でシステム開発担当を引き受けましょう。次回からプロジェクトを形にしてくための“方法”を教えていきます。1つの開発プロジェクトを全うすれば、あなたのビジネス力は確実にレベルアップするはずです。頑張ってください!

<今回のポイント>
① システム開発もカレーも、モノを作る本質は変わらない。
② 担当になったから、学習をする必要はない。
③ プログラマー・SEのコミュニケーションのコツを押さえればこわくない。

次回は、どんなアプリを作るのか?をまとめる手順をお話しします。

執筆者

石川大樹/デジタルハリウッド株式会社 まなびメディア事業部 教材開発担当。デジタルハリウッド株式会社において、主に新規事業や新校舎立ち上げ、カリキュラム開発などを手がける中、自身のプログラミング学習の挫折から、プログラミングをいかに楽しく、興味を持てるようにするか?を追求したプログラミング系講座を設計・開発。それでも自身の理想を実現できず、教材開発業務と並行して、プログラムを組まずとも、アプリの制作体験ができ、それを通じてコンテンツ制作のPDCAを学べるツール「JointApps」の企画・プロデュースを担当。現在に至る。