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40億ドルのフォトストック市場。Adobe Creative Cloud提案の秘訣_DIS Innovation Forum マーケットフォーカスセッション⑥【topics】

ダイワボウ情報システム株式会社(以下DIS)は2016年2月18日、東京・六本木にて「DiS Innovation Forum」を開催した。モバイル&クラウドでワークスタイルに変革をもたらすための「視点」をパートナー各社・エンドユーザー企業に提案する内容で、基調講演、マーケットフォーカスセッション、ハンズオン、展示会場というマルチトラックの1Dayイベントは、これまで日本企業のIT化を「モノ」から下支えしてきた同社の「コト」へのビジョンを明確にし、パートナー各社に対し、これからの提案先と提案方法を養成する新たな第一歩を踏み出した印象だった。本稿では、DIS気鋭の営業陣による6つの「マーケットフォーカスセッション」を1つずつ紹介していく。最後のセッションは「Creative Cloudに付加価値を!Adobe Stock提案を通じた新たなビジネス領域の開拓」。

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アドビ システムズ 株式会社 
コンシューマー&パートナー営業 統括本部市場開拓部 川島 修治氏
ダイワボウ情報システム株式会社 栗原 誠氏

進化する「Adobe Creative Cloud」

2012年5月、最新版CS6と同時に販売されたAdobe Creative Cloud。従来のパッケージ売りとは違い、年額・月額課金のクラウド製品ということで注目された。毎年6月にアップデートをし、常に機能拡張、進化を続けている。Adobe製品すべて使用可能なプランから写真に特化した「フォトグラフィプラン」など、より多くの人が自分の使い方にあったプランを選択できるのも特徴的だ。

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「現在、Creative Cloudの置かれている状況は、まだまだ過去のCS製品からの移行期であり、だからこそ今後の販売店ポテンシャルは非常に大きいです。おおよそ、欧米諸国では移行率が50%以上あるといわれていますが、日本は遅れており、特に教育市場に関しては移行が遅れています」(栗原)

移行の遅れの理由として栗原氏は昨年3月までCS6、過去の永続ライセンスがあったことが最大の要因だとした。しかしながら、教育市場の永続ライセンスが昨年終了し、教育案件でもCreative Cloudへも移行は増えているという。

「ここで、Adobeクリエイティブ製品の近年の導入先の傾向についてみていきたいと思います。一昔前であれば、印刷、デザイン、ゲーム業界などが導入先上位になっていましたが、最新の導入先はサービス業、製造業がトップになっています。つまり、今までAdobe製品を使っていなかった企業、業種でも使われるようになってきたということです」(栗原)

栗原氏はこういった今まで導入していなかった企業が導入を決める背景には2つのキーワードがあるとした。1つは「内製化」。主にサービス業や製造業が、今まで外注していたチラシ、リーフレットや製品のパッケージデザインなどをAdobe製品を使って自社で内製し、費用と時間を削減する企業が増えているという。

2つめは「プレゼン資料の作成」だ。プレゼンの構成要素は、ストーリー、ビジュアル、デリバリー(伝える力)、この3つといわれている。このビュジュアル面で、Adobe製品が効果的に使えるとし、利用が増えている。Creative Cloudを利用することで、非常にリッチなコンテンツをつくることができる。

とはいえ、Adobe Creative Cloudは本当にビジネスになるのだろうか。CS製品の売りやすさを考えると、不安に思う人も少なくないだろう。

「Adobe Creative Cloudはストックビジネスにつながります。Creative Cloudの更新率というのは約85%近くといわれており、年々新規と更新が積み上がり、業績として右肩上がりで成長しています。理想的な更新ビジネスのスタイルになっていると思います」(栗原)

注目すべきAdobe Creative Cloudのポイント

今後Creative Cloudをどう販売していくか。

「意識の高いエンドユーザーは能動的にCreative Cloudの移行を進めています。今後さらに売り上げを伸ばすためには、過去のCS製品を利用し続けているユーザーに対しての移行促進のアクションが必要です。また、それと同時に新規提案も重要です。では、具体的にどういった提案が有効か。ユーザーが知らないCreative Cloudのサービスを提案することが重要だと考えています」(栗原氏)

こう前置きし、栗原氏はいくつかのサービスを紹介した。

まずは「モリサワフォント」Creative Cloudではモリサワフォントの一部を使うことができる。通常有償のフォントを無償で利用することができるのだ。

そして「モバイルアプリ」Creative Cloudと連携するモバイルアプリが現在無償で提供されている。外出先でこれらのアプリを使い、デザインのベースを作成、会社に戻ったら作成したデータを呼び出して作業を開始するなどの使い方ができる。クラウドだからこそできる作業といえる。

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次に「Adobe Stock」。数千万点の高品質なロイヤリティフリーの画像やビデオをダウンロードすることができるサービスだ。

これらのサービスについて、アドビシステムズ株式会社 川島氏が登壇し、セッションを行った。

「Creative Cloudというと、Adobeのアプリケーションが全部使える、年間契約で支払うなど、こういったところはお客様に伝わっているんですね。ですが、モリサワフォント及びタイプバンクの書体が20書体使用できることやモバイルアプリを用意していることなどはまだまだ知られていません。この点をプッシュしていただきたいと考えています。では、ここで代表的なモバイルアプリを紹介したいと思います。Adobe Captureです」(川島)

Adobe Captureとは、スマートフォンやタブレットで撮影した写真から、色、形、カスタムブラシなどを作成するアプリだ。color、shape、brush、looksという4つの機能がある。colorであれば、撮ったものから色を抽出し、shareではアウトラインをとることができる。このようにアプリ抽出したデータをIllustratorなどにそのまま使うことが可能だ。

Adobe Capture CC 03Adobe Capture CC

「”スマホで撮影、イラレで仕上げ”というようなイメージです。これは、カメラではなくクラウド上に上げています。PCで使用しているIllustratorも実はクラウド上で使っています。すべては、Adobe IDで繋がっているのです」(川島)

こういった、PhotoshopやIllustratorだけでなく、モリサワフォントやモバイルアプリについても紹介することで提案はうまくいくのではないかとした。

注目のフォトストック市場で「Adobe Stock」という鍵

皆さんは昨年6月にリリースされたAdobe Stockをご存知だろうか。先述しているが、数千万点万点の高品質なロイヤリティフリーの画像やビデオをダウンロードすることができるサービスだ。つまり、素材サービスである。このAdobe Stockについて、ポイントが3つあると川島氏は話した。

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今現在約5000万点以上のロイヤリティフリーのストック画像を提供していること。主要なCCアプリケーション内から画像を選べるということ。法人ユーザー様、特にCreative Cloudグループ版でデータが扱えるようになったことです」(川島)

ユーザーとしても、使っているサービス内で素材を探せることはメリットが多い。ネット上でもロイヤリティフリーの画像は多く出回っているが、安心感という点でAdebeのブランド力は強い。また、販売店においてもメリットはある。Creative Cloudに付随する形で提案でき、販売単価を上げることができる。

「販売するにあたって本当に売れるんだろうかという不安があるかと思います。しかし、皆さん思い出してみてください。例えば、DTPシステムを販売されているときに、PC、モニター、周辺機器、プリントアプリケーション、フォントを販売して、さらに素材集を売ってませんでしたか? 素材集がなくなったというわけではなく、各メーカーが直接サイトからダウンロードできるようなインフラを整えただけなんですね。ですので、売れなくなったというわけではなく市場は変らずあります」(川島)

そして、Adobeとしてすでにターゲットカスタマーを想定しいるという。まずは、Creative Cloudを導入しているユーザーに勧める。次に、CSを使用しているユーザーに見せる。最後に、法人ユーザーに勧める。このような段階でユーザーを獲得していきたいとした。

「このフォトストック市場、世界中で約40億ドルの市場になっています。年間42%以上、成長しているということになるんですね。今年、Adobe Stockがキーになってくるんじゃないかと思っています。今、写真点数も非常に多く、業界では2番目のストック数になっています。これからどんどん増える予定ですので、ぜひ覚えていただきたいと思います」(川島)