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軽減税率はビジネスチャンス!? 「iPadを利用した簡単便利なPOSレジ」セミナー

2017年4月より8%から10%へ引き上げられる消費税。今から予想される店舗での混乱。どのような対応が必要になってくるのだろうか。本稿ではApple store銀座で行われた「iPadを利用した簡単便利なPOSレジ」のセミナーレポートをとおして、軽減税率の内容について紹介したい。

消費税引き上げまであと1年。軽減税率とは?

Apple store銀座で行われた「iPadを利用した簡単便利なPOSレジ」のビジネスセミナー。Airレジを提供する株式会社リクルートライフスタイルの大宮英紀氏、株式会社AGSコンサルティング/AGS税理士法人の西島 聡氏が登壇し、軽減税率についてセッションを行った。モデレーターはITジャーナリストの林信行氏が務めた。

そもそも、軽減税率とはどのようなものなのか? 簡単に言ってしまえば10%に消費税が増税されるにあたり施行される制度のことである。酒類や外食を除く「食料品」は現状の8%で購入できたりするのだが、その振り分けは複雑だ。

「一定の飲食商品の販売・提供は8%で据え置き。外食のイートインは10%、酒税法で定めれている酒類に関しては10%です。しかしながら、テイクアウトは8%の消費税になります。結構複雑で、対応には手間がかかるのが予想されます」(西島)

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株式会社AGSコンサルティング/AGS税理士法人 西島 聡氏

例えば、パン屋などで商品を購入し、テラスか何かで食べる。こういった場合はどうなるのだろうか。

「現状では、テイクアウトになるのではないかと言われています。受け皿によっても税率は変わってくると言っていいかもしれません。事前に自社が取り扱う商品・サービスがどちらに該当するのかというのは確認が必要です」(西島)

こういう話を聞くと不安に思うのは「間違ってしまった場合」どうなるのかだ。違法なのか、林氏は西島氏に聞いた。

「脱税にはなりませんが、当然監査が入ったときには最初の数年間はそういったところができているのかというのを見ていきますので、10%を8%にしてしまった場合、追加の税金が発生することになるだろうと思います」(西島)

この商品は8%、この商品は10%。こちらの客はイートインだから10%で、こちらの客はテイクアウトだから8%。大手チェーン店などでは日々シフト制で変わるアルバイトへの教育も考えなければならない。「レジ対応」という観点で軽減税率について大宮氏は以下のように話した。

「ソフトウェアのアップデートであったり、店員の教育。費用がかかるのは目に見えています。以前、消費税が変わったときに対応できなくて潰れてしまったというチェーン店もあったくらいです」(大宮)

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株式会社リクルートライフスタイル 大宮英紀氏
ピンチはチャンス!? 軽減税率が生むメリット

店舗にとってみたら複雑な軽減税率の仕組みだが、これは大きなチャンスになると西島氏は話す。

テイクアウトというのがひとつのキーワードになると思います。ランチで店内で食べるのか持ち帰るのか。結構、持ち帰って社内で食べる人も多いですから、そういったところに新しい施策を打ち出す」(西島)

確かに、消費者の行動を考えれば、今までと違った販売スタイルを打ち出すのは活路になるかもしれない。しかしながら、注意が必要だとも西島氏は話す。

「安易にテイクアウトを出すというよりは、今現在のメニューがどのような原価率の設定になっていて、どういう区分の税率構成になっているのかというのを把握してくのが大事です」(西島)

しっかりと現状を把握した上で、軽減税率に対しての施策を打っていく。そういった分析にはAirレジが役に立つと大宮氏は話す。

「税率に関してもですが、売り上げに貢献する分析がAirレジではできます。何が売れているのか、何が売れていないのか。客層にどんな傾向があるのか、しっかりとデータとして蓄積することができます」(大宮)

大宮氏は軽減税率に対しAirレジはおおきく3つのメリットがあるという。

・商品ごとに税率を設定できる
・テイクアウトかイートインか操作もわかりやすい
・レシートにきちんと記載することができる

レシートにどの商品が8%で10%なのか記載できるかというのは軽減税率対応において重要なポイントのひとつである。

「レシートに関して言いますと、個人のお客さまであれば問題はないかもしれませんが、法人になってくると10%の買い物がどれくらいで、8%の買い物がどれくらいときちんと記載していく必要がある。そうしてくると、こういった表記ができないお店には買い物に行けないということになってきますよね」(西島)

DSC 0766Airレジで消費税を記載したレシート

2017年4月、消費税が切り替わったときには必ずお店の対応に注目が集まる。その際に、店員に事前に教育をしてスマートに対応できればお店への好感度も上がっていくだろう。消費税の引き上げをポジティブにとらえ、新しい施策をデータをもとに構築していくこと、また、店員やレシートなど対応をしっかりと準備していくことで、他店との違いを出しチャンスに繋げられるはずだ。

軽減税率、現場の対応

実際に現場ではどのような対応を考えているのだろうか。”ガチャレジ”と呼ばれる、読者のみなさんも見慣れているレジを使っているお店に大宮氏はヒアリングをしたという。

「商品ごとに消費税率を変えて打ち込んでいくしかないと。ですので、商品の税率を頭の中で覚えておかないといけない。例えば、アルバイト用にラミネート加工したようなものを壁に貼ったりなど、そういった対策方法になっていくと思います」(大宮)

大掛かりなシステムのアップデートなどを行うと時間も費用もかかってしまう。上記のような対策をとる店も多いだろう。では、システム改修を行うには現実的にどのくらいの準備期間が必要なのだろうか。

「国の試算だと、大企業で大掛かりなシステムのアップデートが行われる場合、1年半くらいかかるだろうとみています。中堅企業だと半年から1年。とは言っても、1年くらいかけてしっかりと準備していくというのは現実的ではないと思いますので、半年くらいが目安です。望ましいとすれば、今年の秋口くらいから準備を始めるのがいいかなと思います」(西島)

Airレジを提供する大宮氏は、このようなレジ事情について以下のように語った。

「1度導入したら機械を変えたり、新しい費用をかけないと対応できないという状況を変えたい。人の行動、世の中の進化、テクノロジーの変化に合わせて追いついていけるような、知らずに追いついているようなサービスを提供していきたいなと思っています」(大宮)

導入も簡単でスペースもとらず、またさまざまなデータを集めることができるAirレジ。西島氏はセミナーの最後を以下のように締めくくった。

「お店を運営するみなさんは、いいものをつくってそれを提供したいっていうのがスタートだと思います。しかし、税を含めて、いろいろやらなければいけないことが多いと思います。そういったものを少しでもローコストで対応できるコンテンツというのはいいと思います。ただ、データが出てからがまた勝負ですから。何が喜ばれるのか、どうすれば他店と違いが出せるのかが重要です」(西島)

セミナー後、来場者はAirレジを実際に体験した。日本では今まで一律の消費税だが、海外では税率が変わるのは普通だ。国によっては温度が温かいか冷たいかで税率が変わったり、贅沢品かそうでないかでも税率が変わったりする。この先、日本の税率がより複雑なものに変わっていくかもしれない。Airレジの急速な拡大をみるに、今後、お店側も消費者側も意識せずに変化に対応していく、それが普通になる未来がやってくるだろう。今回の消費税の引き上げをチャンスととらえ、自店の売り上げやメニュー、店員の働き方など、見直してみてはどうだろうか。