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「NTT R&Dフォーラム2016」で未来を体感! - スマホを使った新技術や「ぶつからないクルマ」などを展示【topics】

NTTは16日、NTT武蔵野研究開発センタにて「NTT R&Dフォーラム2016」のプレス向け事前説明会を開催した。テーマは「未来を体感! 2020の世界」および「社会を変革するAI/IoT」。本開催は18日、19日となっている。本稿では、両テーマから気になった展示をいくつかピックアップして紹介していこう。

NTT武蔵野研究開発センタにて「NTT R&Dフォーラム2016」のプレス向け事前説明会が開催された。本開催は18日と19日となっている

外国人にも恩恵、2020の世界を体感!

2020年の節目の年に向けて、私たちの身の回りの生活を便利にしてくれそうな技術の開発が進められている。そのひとつ「かざして案内」は、パネルや展示物をスマホで撮影するだけで、詳細な情報が送られてくるもの。例えば人気の高い博物館や美術館では、混雑のため解説のパネルが読めない、パネルまで近づくこともできない、なんてことがよくある。そんなときに活用できる技術だ。

「かざして案内」の利用イメージ。かなり遠くからパネルを撮影したが(写真左)、瞬時に手元に情報が送られてきた(写真右)

技術的な背景に触れると、撮影した写真はまずサーバーに送られる。そこで登録情報との照合を行い、必要な情報がスマホに送信される仕組みだ。利用者はどんな角度から、どのくらいのサイズで写真を撮るか分からず、しかも場合によっては人の頭など、障害物が大きく写っていることもあり得る。したがって、従来の技術でこれを実現するには、サーバーに数百枚規模の写真を登録しておく必要があった。しかしNTTの研究所が新たに開発した画像認識技術「アングルフリー物体検索技術」により、登録画像は1~2枚で済むという。

パネル以外にも利用できる。写真は、展示物を撮影することで情報が得られるデモの様子

NTTではこの技術を応用し、パナソニックと共同で別のサービスも開発している。スマホではなくポータブル端末をランドマークにかざして写真を撮ると、透明型のディスプレイに名称や観光案内が表示できるものだ。裏で行われている処理は同じ。スマホを使わない理由について、説明員は「スマホのカメラ越しだと味わえない、現実の臨場感が得られる」と強調した。なお、このポータブル端末にはカメラ、Bluetooth、バッテリーなど最小限の機能しか搭載しないので、非常に安価に製造できるとのこと。担当者は「製造コストが安いので、2020年の東京オリンピックで訪日した外国人に、ガイドブックのおまけとしてプレゼントできるかもしれない」と話していた。

パナソニックと共同で開発中のサービス。ポータブル端末(写真は試作機)には、透明型のディスプレイと背面カメラが搭載されている。ランドマークを撮影すると情報を表示可能

このほかスマートフォンなどに搭載されているBluetoothビーコンを利用して、会場の混雑状況をリアルタイムで表示する「混雑マップ」も紹介された。イベント運営者の利用を想定した技術で、担当者は「空いている展示に来場者を誘導する、必要な場所に警備員を増やす、などのサービスに繋げられる」と力説。巨大なサイネージに混雑状況を表示させれば、来場者を効果的に誘導できそうだ。美術館などの文化施設、アミューズメントパークなどの商業施設のほか、駅や空港などの公共交通機関などでも利用できるだろう。

Bluetoothビーコンを利用して、会場の混雑状況をリアルタイムで表示する「混雑マップ」。巨大なサイネージに混雑状況を表示させ、来場者を効果的に誘導することも

人工知能×自動車が未来の社会を変革する

NTTでは最近、「ロボット開発をどうするんだ」と頻繁に聞かれるようになったという。ソフトバンクの「Pepper」が話題を集めている影響だろう。NTTのロボット開発について、事前説明会に登壇した同社代表取締役副社長の篠原弘道氏は「ハードは協力パートナーから提供してもらい、NTTでは頭脳を提供していく」とのスタンスをあらためて示している。この日の会場でも、ロボットや人工知能とNTTの技術が融合した取り組みがいくつか紹介されていた。

トヨタ自動車の「ぶつからないクルマ」は、未来の運転支援技術。通信技術をNTTが、人工知能をPFN(Preferred Networks社)が担当する。自動車の運転に、人工知能はどう貢献するのだろうか? ブースでは各担当者が技術の”肝”に触れていった。NTTでは、かねてから「エッジコンピューティング」の研究・開発を進めてきた。ユーザーの近くにエッジサーバーを分散させることで、すべての情報をクラウドで処理するケースに比べて、通信の遅延を短縮できる技術だ。これにPNFの研究するAIの技術が掛け合わされた。

トヨタ自動車×PFN×NTTによる「ぶつからないクルマ」のデモの様子。より適切でスピーディーな処理が行えるNTTのエッジコンピューティング技術が活用されている

ぶつからないクルマには、深層強化学習が応用されている。動物のしつけではおなじみの、良い行動をしたら褒め、間違えたら罰を与えることで学習させる方法である。これにより、人工知能を持った”クルマ”は「どうしたら、より褒められる走行ができるか」を試行錯誤で学んでいく。こうして、ぶつからないクルマをつくっていこうというわけだ。

途中で人が操作する赤いラジコンを紛れ込ませたが、人工知能を搭載する他のクルマは、ぶつからないよう器用にラジコンを避けつつ安全運転を継続した

ソフトバンクのPepperでは「集合知」がひとつの特徴となっている。個々のPepperが学んだことがクラウド経由で全国のPepperにも共有されることで、学習のスピードを飛躍的に速めている。同様に、ぶつからないクルマでも「分散強化型」の学習システムが取り入れられた。あるクルマが追突した、などの情報はネットワークを通じて、瞬時に他のクルマに共有される。では、こうした知識を共有しなかったら、どうなるのだろうか。担当者はあくまで予測、と断った上で「ぶつかったことがあるクルマは慎重な運転をするようになり、ぶつかったことがないクルマは無茶な運転をするようになるかもしれない。個性が出てくるのではないか」と持論を展開した。

 

Author:マイナビニュース