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市場拡大、クラウドが可能にする新しいビジネスの形__DiS Innovation Forum マーケットフォーカスセッション①【topics】

ダイワボウ情報システム株式会社(以下DIS)は2016年2月18日、東京・六本木にて「DiS Innovation Forum」を開催した。モバイル&クラウドでワークスタイルに変革をもたらすための「視点」をパートナー各社・エンドユーザー企業に提案する内容で、基調講演、マーケットフォーカスセッション、ハンズオン、展示会場というマルチトラックの1Dayイベントは、これまで日本企業のIT化を「モノ」から下支えしてきた同社の「コト」へのビジョンを明確にし、パートナー各社に対し、これからの提案先と提案方法を養成する新たな第一歩を踏み出した印象だった。本稿では、DIS気鋭の営業陣による6つの「マーケットフォーカスセッション」をひとつずつ紹介していく。まず最初はオープニングセッション「DiSマーケット戦略について」。 

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スピーカー:ダイワボウ情報システム株式会社 広域営業本部 サービス営業部 部長 青井正則氏

ストックビジネスの収益化を目指す 

平成26年度 1月 774件
平成28年度 1月 2887件 

みなさんはこれが何を表す数字なのかわかるだろうか。これはDISが1ヶ月の間に受注したあるクラウドサービスの新規契約件数なのである。2年で3.7倍に増えている。

「これは新規契約の数字なんです。継続している数字ではなく、新規の数字です。これが何のサービスなのかというと、トレンドマイクロ株式会社が提供するセキュリティソフト(ウィルスバスター、ビジネスセキュリティ)のクラウド版です。クラウド版だけの新規の契約件数なのです」(青井)

クラウドは、モビリティ、ビックデータ、ソーシャルと合わせて「第3のプラットフォーム」と呼ばれている。第3というからには第1も第2もあるわけだが、第1のプラットフォームはメインフレームと端末、第2のプラットフォームはクライアント/サーバーのことだ。第1と第2のプラットフォームを見て分かる通り、それらは現在「便利」や「目新しさ」を通り越し「普通にあるもの」として受け入れられている。第3のプラットフォームもまた、あることが普通、なくてはならないプラットフォームになるだろう。クラウドサービスの利用の加速は止まらない。

そんな第3のプラットフォーム「クラウド」だが、提供するビジネスモデルは「ストックビジネス」だ。形あるものを売るのではなく、形のないサービスを提供し続けるストックビジネスは毎月課金をするビジネスなのである。

「毎月課金するストックビジネスは、ある損益分岐点を超えると、その後はすべて利益になります。成功すれば非常に素晴らしいビジネスモデルです。ところが、分岐点を越えられなければ非常に苦しいモデルとも言えます」(青井)

例えば、毎月1,000円の利益が出る商品を毎月1,000件新規獲得した場合、単純計算で2年後には毎月2,400万円の利益が出ることになる。利益という面では、非常に貢献できるサービスだと青井氏は話す。しかしながら、月額課金というのは難しいサービスだとも話す。

「月額課金は、取次と呼ばれる当社、あるいはメーカーさんから直接エンドユーザーに提供して、販売店さんにはリベートをお返しするというモデルです。また、月額の卸しというモデルもございます。販売店さんに月額で卸し、販売していただくというモデルです」(青井)

青井氏が話す通り、この2つが主なモデルだ。卸しモデルに関しては、販売店でも月額の仕組みが必要になってくるなど、販売店側の負担も大きい。

そこで、DISが用意したのが「年間パック」だ。販売店で月額の仕組みは必要なく、物販と同じような形で販売できる。DISが販売した中で、もっとも売れているのが年間パックだという。法人に関しては、ほぼ100%に近い数字で年間パックを購入しているというのだ。

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年間パックを取り扱うことについて販売店にもメリットは多い。取次をはさむ場合、販売店は売上をたてることはできないが、年間パック、卸しモデルであれば売上と利益を計上することができる。さらに、DISとの契約も物販と同じように売買契約だけで済ますことが可能だ。すぐにでも展開することができる。

「月額、毎月ではないけれど、1年1年でストックになるという仕組みを当社のほうで用意しましたので、ぜひ参考にして欲しい」と青井氏は語尾を強くして話した。

M2Mの世界へ。SIMロックフリーによる市場拡大

昨年5月に総務省がSIMロック解除の義務化を発表したのは記憶に新しい。そこから急激に成長しているのが格安SIMの分野だ。DISもこの分野に注力している。

「SIMがロックされている際は、サービス、回線、ハードウェア、全部キャリアさんが用意していました。当社でも取り扱いさせていただいていますが、競争も激しい業界です。しかし、SIMロックフリーが始まってこのサービス、回線、ハードウェアを分けて販売することが可能になりました。これはビジネスをする上でとても大きい変化です。今までキャリアさんしか販売できなかった仕組みが、私たちIT業界の商流にも販売可能になったということです」(青井)

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ここで青井氏は代表的な2つの事例を紹介してくれた。1つめは、NETGEARのSIMロックフリーのルーターだ。DISではこのルーターとSIM回線の1年パックを商材としている。セットにすることによって、販売店でも取り扱いやすく売上を上げやすい。

2つめは、M2M、法人向けの仕組みだ。サン電子株式会社は自動販売機の中の部品を製造・販売している。また、自動販売機の中から通信できる機器も販売しており、格安SIMでも動くようになっている。M2Mの分野も、やはりキャリアが取り扱っていた分野とあって、SIMフリーになったところで簡単には入っていけない。DISではサン電子のようなベンダーと一緒に紹介することによって、法人向けの仕組みづくりに注力している。

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また、M2M用のSIM回線であれば、月額300円を切るという。価格競争力という面では十分戦えるという金額をメーカーと商談中だ。

「当社が通信の分野において、スマホやルーターは今まで通り展開していきますが、これからは法人様向けのソリューションに力を入れて展開していきたい」と青井氏は話した。

クラウドの可能性、進化するウィルス攻撃 

冒頭でも記載した通り、クラウド利用は日に日に拡大している。クラウドサービスには3つ種類がある。インターネット経由で、アプリケーションの機能を提供するサービスのことをSaaS(サース)、Webサービスの開発や実行するための環境を提供するサービスのことをPaaS(パース)、サーバーや回線などを提供するサービスのことをIaaS(イヤース)と呼ぶ。最後に青井氏はDISが展開するクラウドサービスの中で、特にSaaSについて紹介したいとした。

「SaaSは一般的には、そのまま開発やカスタマイズをしなくてもお客様に使っていただくことが最大の機能と言えます。販売する立場としましても、開発時間もなく、営業ノウハウも少なくすむのでリスクも少ない。そして導入時間も短いこともポイントです。しかしながら、これから紹介する株式会社セールスフォース・ドットコム様が提供するSalesforceはカスタマイズができるモデルのサービスです。販売店様にとって、カスタマイズできるということが収益のひとつになります。開発というわけではなく、アプリの設定をし設定料という形で収益に繋げることができます」(青井)

そして、もうひとつ紹介したいのがトレンドマイクロ株式会社のセキュリティソフトだという。近年増加するネット犯罪。ウィルス攻撃も進化している。

「メールではなくて、添付のエクセルファイルにウィルスを忍ばせた攻撃が出回っています。メール自体にはウィルスがないので「このメールはウィルスが入っていません」と、すんなりセキュリティを突破してくるのです。こういった攻撃でもトレンドマイクロ様のIWSaaSというサービスで防ぐことができます」(青井)

スマートデバイスの普及で、最大限その力を発揮しようとなるとクラウドの活用は必須になってくる。どこでも会社にいるときと同じように仕事するためには、インターネット上にデータを持っていくしかない。しかしながら、ウィルス攻撃もモバイルの発展に合わせるようにどんどん悪質なものになっていく。そのために、さまざまなクラウド商品とともにセキュリティサービスも合わせて紹介することで、安心安全に使用してもらいたい。

「もし興味のある方はiDATENのDISオリジナルサービスのところに色々な情報を公開していますので、ぜひチェックしてみてください」と青井氏はオープニングセッションを締めくくった。

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