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Windows 10の"ミソ"はセキュリティ、課題は「事例作り」【topics】

先日、Windows 7などでWindows 10へのアップグレード通知が強化されるニュースが話題となったが、法人市場におけるWindows 10の展開はどのように行われるのだろうか。

3月10日に行われた中堅中小企業向けセミナー「マイクロソフトが実践したワークスタイル変革と攻めと守りのIT活用」と同時に行われた法人向けWindows 10の記者説明会では、日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows & デバイス本部長の三上智子氏と執行役 コンシューマー & パートナーグループ OEM統括本部長 金古 毅氏が、法人導入の現況について説明した。

Windows 10は、7と8.1からのOSアップグレードが期間限定で無償化されたこともあり、インストールベースで2億台を突破するなど、非常に好調と言える。法人におけるWindows 10の稼働台数も2200万台に達しており、2月には米国防総省が1年以内にWindows 10へ省内400万台のWindows PCをアップグレードすると発表するなど、マイクロソフトのWindows 10に対する並々ならぬ思いが透けて見える。

好調なWindows 10

特にこの「国防総省が膨大な数のPCをWindows 10へアップグレードする」というアナウンスは、単なる導入事例の発表以上の意味を持つ。というのも、日本マイクロソフトがさまざまなセキュリティに関する取り組みの情報を発信する中で、「マイクロソフトは米国防総省に次いで、世界で2番目にサイバー攻撃を受け続けている組織だ」と常々言い続けているからだ。

米国防総省が導入表明

Windows 10は、7時代の"古き良きWindows"と、8、8.1の"タッチ操作最適化Windows"をうまく組み合わせたWindows、という説明が多く見られるOSだ。ただ、マイクロソフトに言わせれば「OSの多層防御をさらに推し進めた、厳重なセキュリティ管理が可能になるOS」というポイントもある。例えば、次期アップデートの「Redstone」でも、大企業向けに脅威検知機能を提供する「Windows Defender ATP」などでセキュリティを強固にしていくと、日本マイクロソフト グローバルビジネスサポート セキュリティレスポンスチーム セキュリティ プログラム マネージャーの村木 由梨香氏は説明する。

Windows Defender ATPこそ、大企業向け機能としての提供になるが、そもそもの多層防御でいえば、サードパーティ製セキュリティソフトを入れずに、既知のマルウェアなどを検知・対処できる「Windows Defender Cloud Protection」や、デフォルトで顔認証などの生体認証システムによるログインに対応した「Windows Hello」など、中堅中小企業でも十分"タメになる"セキュリティ機能がある。

Windows 10は多彩なセキュリティ機構からユーザーを守る

こうした強固なセキュリティという観点があるからこそ、大企業のみならず、中堅中小企業においても導入の進捗を期待すると三上氏は話す。

「(中堅中小企業はセキュリティ意識が薄いのではという質問に)中堅中小企業においても、70%の企業でなんらかの形で情報漏えいが起こっている現状をしっかりと伝えなくてはならない。例えば"サイバー攻撃"というキーワードで中小企業の方にお話しすると、自分たちには関係ないと思われてしまうが、"マイナンバーの漏えいに備えましょう"といった、身近なワードでお伝えすると、セキュリティに対する認識を改めてもらえる。実際にマイナンバー対策も必要ですし、セキュリティがより強固になっているWindows 10をお使いいただけるように周知していきたい」(三上氏)

また、同Windows本部 Windowsコマーシャルグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの古川 淳一氏によると、中堅中小企業の担当者へは、日本マイクロソフトのポータルサイトより継続して情報発信を行っており、セミナーなども開催している。

導入事例作りが鍵に

ただ、実際に企業が大規模導入を進める場合、日本では多くの企業が「導入事例を求める」と三上氏は語る。

「導入検証の支援は日本マイクロソフトとしても行っていますが、他の企業での導入事例を参考にされるケースが多く、さらなる事例作りと、きめ細やかな情報提供も必要だと考えています」(三上氏)

以下の画像は、Windows 10の導入を表明している大手企業のロゴだが、その一方で全社的に導入している企業は一部に限られ、部門単位での導入が実情だという。また、にわかに盛り上がりを見せるWindows 10 Mobileについても「三井住友の一部検証のみ」(三上氏)など、本格的な広がりが見えづらい状況にある。

Windows 10導入企業一覧

Windows 10 Mobileスマートフォンも、その数を増やしてきた

ただ、地道な導入事例の積み重ねが後々に生きてくるという市場環境、そして、端末が出そろいつつあるWindows 10 Mobileも本番はこれからだ。Windows 10の無償アップグレード期間は7月下旬と、1つの節目まで残された時間はあまりないが、この期限までの"短距離走"の結果が、今後のWindows戦略に大きく響いてくることは確実だろう。

 

Author:マイナビニュース