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これからのモバイル活用。SIMロックフリーという提案_DIS Innovation Forum マーケットフォーカスセッション③【topics】

ダイワボウ情報システム株式会社(以下DIS)は2016年2月18日、東京・六本木にて「DiS Innovation Forum」を開催した。モバイル&クラウドでワークスタイルに変革をもたらすための「視点」をパートナー各社・エンドユーザー企業に提案する内容で、基調講演、マーケットフォーカスセッション、ハンズオン、展示会場というマルチトラックの1Dayイベントは、これまで日本企業のIT化を「モノ」から下支えしてきた同社の「コト」へのビジョンを明確にし、パートナー各社に対し、これからの提案先と提案方法を養成する新たな第一歩を踏み出した印象だった。本稿では、DIS気鋭の営業陣による6つの「マーケットフォーカスセッション」を1つずつ紹介していく。3つめのセッションは「キャリア代理店からITリセラーの販売へ SIMフリー市場へ参入し、新市場創出をサポートする」。

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スピーカー:
ダイワボウ情報システム株式会社/広域営業本部
モバイル営業部 副部長 帯包 勇治氏

SIMロックフリー市場拡大の背景 

オープニングセッションでも話があったとおり、総務省がSIMロックフリーを義務化したことにより、SIMロックフリー市場は急速な広がりを見せている。総務省がSIMロックフリーに踏み出した目的は「モバイルによる国の創生と国民負担の軽減を目指す」というところだ。電気、水道、ガスと同じように通信も重要なライフラインになってきているからこそ、国がサポートすることでより良いネットワークをつくっていこうというのが狙いだ。

「そこで私たちもSIMロックフリーのビジネスに参入しました。このビジネスに何が必要かというと、簡単にいうと2つです。デバイスとSIMカードです。SIMカード(subscriber identity module card)とは携帯番号を特定するための装置です」(帯包)

今まで、キャリアに固定されていたSIMカード。Docomoで契約した場合、DocomoのSIMカードを使用しないと動かすことはできなかった。こういったものが、ある程度の周波数であったり、規格をクリアすればSIMロックフリー端末をどこのSIMカードでも動かすことができるようになったのだ。

「こういったことを背景に、SIMの価格競争が起こり始めています。格安SIMというものです。MVNO事業者という新しい役割の皆さんが、より安価に提供しているというところもこの市場の参入のしやすさの1つの要因になっていると思います」(帯包)

※MVNO…携帯電話やPHSなどの通信事業者から無線通信ネットワークの卸売を受け、自社ブランドの通信サービスとして一般の利用者に提供する事業者。出典:デジタル・IT用語事典

SIMロックフリーの仕組みは日本ではまだまだ提供され始めたばかりだが、海外では一般的で、国によってはSIMロックフリー端末のシェアが40%を超えるところもあり、平均で20%くらいのシェアがあるという。日本では未だ5%。この数字を総務省は20%まで引き上げたいと考えているため、市場はどんどん広がっていくという。

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SIMロックフリーの販売モデルとビジネスボリューム

SIMがロックされている従来の状態であれば、その販売モデルは垂直総合モデル、つまり「サービス」「回線」「端末」の3つが1つで提供されるSIMロックフリーの場合は水平分離型モデルで、この3つをバラバラで調達、販売できるようになったのだ。

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「ここにビジネスチャンスが大きくあります。例えば、私たちがスマートフォンを提供するときに行うキッティングサービス(アプリケーションを導入したり、APLを設定したりするすること)や保証サービスなど、こういったサービスを売るチャンスが生まれてくるのです」(帯包)

ここに販売店の方々にはメリットを感じてほしいという。

「水平分離型モデルでサービスを提供できることによって皆さんは得意分野に特化して仕事ができるようになります。例えば、ソフトウェア、アプリケーションが得意な場合であれば、サービス提供の部分に参入すればいいですし、端末を売るのが得意であれば端末を売ればいいのです」(帯包)

しかし、今まではキャリアが取り扱っていた市場だ。そこに参入し、キャリアに対抗して商売することができるのか、不安に思う方も多いだろう。しかし、帯包氏は対抗できるという。

「”通信料金を下げましょう”という形で総務省のタスクフォースが動いて、キャリアさんも料金を下げることになりました。しかしながら、その下げ方も一人ひとりの値段を下げずに3人で入れば安くなるといったシェアパックであったり、1GBプランを出したり、現状は安くはなっていないと思います。そこでMVNOさんの格安SIMです。音声通話がついていないプランだとキャリアさんであれば3,000円以上の料金がMVNOさんであれば1,000円を切るような非常に安い価格で提供されています。企業に導入する場合であれば、初期投資ももちろんですが、月々のコストも重要ですし、提案する際に1人あたり年間で約12,000円でずっと通信できますよとなると、商談もしやすいかと思います」(帯包)

現状、スマートフォンの90%が個人需要で法人需要は未だ10%ほどだ。ビジネスチャンスは多いにある。さらに、SIMの事業に参入したのにはもう1つ理由があると帯包氏はいう。

回線、サービス、端末を売るということだけで終わらないビジネスのボリュームがここにはあります。通信料金や音声の課金ビジネス、またアンチウィルスソフトやEMM、MDMと呼ばれる管理ソフトの提案。それから延長保証やキッティング作業など、周りに付随するビジネスがあるということがポイントです」(帯包)

また、SIMカードは携帯電話以外にもさまざまなデバイスに使用でき、IoT、M2Mの分野でも市場を広げることができる。家電や車、自動販売機など、SIMカードを活用することでデータを取得し、多種多様なビジネス展開が可能になるのだ。

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端末・プランだけではないアプリケーション提案

個人で使う場合は、Web閲覧やアプリケーションなどが主な使用用途だろう。しかし、法人需要は大半が音声通話で使われている。キャリアの定額システムと比べた場合、格安SIMの通話料金が定額ではないというモデルは勝負できないのではないだろうか。しかし、そこでも策はあると帯包氏はいう。アプリを提案するのだ。

キングソフト株式会社WowTalkを紹介します。LINEのようなコミュニケーションツールのビジネス版です。無料通話はもちろんのこと、タイムラインで情報共有することもできます。そして、携帯電話では困難な1対nのコミュニケーションが可能です。何人かに指示を送る際、このツールを使うことによって一斉に通信ができます。コミュニケーション力が非常にアップするというのが最大のメリットです」(帯包)

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通話料金が高くなりそうな場合はこのようなアプリを提案し、ビジネスを広げていく。音声通話がないプランと一緒に提案しやすい1つのソリューションであるとも言える。 また、社外利用として増えてきているのがインバウンド対策でのモバイル活用だ。タブレットを介した通訳システムを導入する企業も増えている。

最後に帯包氏はDISがモバイルデバイスビジネスを推奨するにあたって、どういったサービス、サポートを提供しているのか紹介した。

まずは「キッティングサービス」。アプリケーションのインストールや設定をDISが販売店の代わり行う。故障に対しても保証サービスを提供しており、延長保証も可能だ。さらにSIMロックフリーの端末は、ほぼ各メーカーがコールセンターを設けているので、トラブルを心配するユーザーにも安心して販売ができる。 

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また、全国物流網でもモバイルビジネスをサポート。全国10カ所から配送可能で、即納体制が整っている。iDATENの中にはSIMロックフリー販売支援サイトというページを構築しており、各端末を紹介するための資料や価格帯、スペックシートなどをすべて保管してある。

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スマートフォンの販売に対して、知識が少なく不安という方に向けて「スマホ大学」という勉強サイトを用意しているのもポイントだ。ガラパゴス携帯からスマートフォンに切り替えるための提案など、基本の部分を学べるようになっている。

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帯包氏はいくつかのモバイルデバイスやSIMロックフリールーターなどを紹介した後、下記のようにセッションを締めくくった。

「先ほど紹介したWowTalkなどのアプリケーションやIoTの提案は、もちろん使えば便利という部分があると思います。しかし、例えば時間の節約、今までできなかったコミュニケーションが深くとれる、確実に連絡が取れるようになる。こういった部分を提案していけば、まだまだビジネスでスマートフォンを使用していない方や会社にアタックできるんじゃないかなと思っています。そういった提案のご協力をDISでさせていただきますので、ぜひ、ご相談ください」(帯包)