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NTTデータの人工知能、ロボティクス事業における強みとは?【topics】

NTTデータ AIソリューション推進室 室長 城塚音也氏

NTTデータはこのほど、人工知能とロボットにおける同社の取り組みに関する説明会を開催した。人工知能とロボットはいずれもIT業界における注目トピックであり、さまざまなベンダーが取り組みを開始している。同社の取り組みは競合と比べて、何が違うのだろうか。

人工知能については、AIソリューション推進室 室長の城塚音也氏が説明を行った。城塚氏は「人工知能は第1世代から第3世代に分けることができ、各世代で学習方法が異なる。ただ、最新の第3世代が登場したからといって、旧世代が消滅してしまったわけではない。各世代が組み合わさることで、人工知能が実現しつつある」と述べた。

各世代の学習方法の特徴をまとめると、ルールベースの第1世代は「データから専門家が特徴の抽出とルール作成を実施」、統計・探索モデルの第2世代は「データから専門家が特徴を抽出し、パラメータを自動で学習」、脳モデルの第3世代は「データから特徴の抽出とパラメータの学習を実施」となる。

例えば、Appleが開発した「Siri」は第1世代と第3世代が組み合わさったものであり、Google傘下のGoogle DeepMindが開発した「Alpha Go」は第2世代と第3世代が組み合わさったものだという。

人工知能の各世代の特徴

城塚氏によると、同社はNTTグループの技術を活用することができ、研究所が有する技術も含めると、同社の人工知能研究がすべての世代をカバーしているという。

NTTデータがカバーする人工知能の範囲

そして、城塚氏は人工知能により、「仕事」「サービス」「社会」が変わっていき、その理由は日本の社会課題に対抗するためと説明した。例えば、国際競争が激化する一方で、経済が停滞している状況においては、人工知能が業務の効率化やノウハウの継承をサポートする。少子高齢化や労働力現状といった状況に対しては、人工知能が労働力の確保や高齢者のサポートを実現する。

世の中を変えていく5つの人工知能

こうした変化を起こす人工知能は「情報・知識提供」「知識発見」「推論・思考」「インタラクティブインタフェース」「知覚・制御」となる。

城塚氏は同社の人工知能における研究の強みについて、「IBMやマイクロソフトの人工知能がクラウドで学習するのに対し、われわれは個別に作りこんでいる。また、NTTの研究所は高度認識、日本語処理においてすぐれている」と語った。

説明会では、NTTメディアインテリジェンス研究所が、意味理解型知識検索技術のデモを行った。同技術は、大語彙オントロジ(第1世代)、統計的言語処理(第2世代)、ニューラルネット言語も出る(第3世代)により構築された技術で、ユーザーが知りたいことをそのまま話しても正しく意味を理解し、検索結果を表示する。

意味理解型知識検索技術の特徴

自然文によるFAQ検索においては、ユーザーがさまざまな言い方で問いかけるため、多様に表現される質問を理解する必要があるという。この課題に対し、意味理解型知識検索技術では、単語の意味を日本語解析技術をニューラルネットを用いて数値化し、ベクトルが近い単語は意味が似ていると判断している。

意味理解型知識検索技術を活用したFAQ検索の画面

意味理解型知識検索技術で質問文を解析する仕組み

NTTデータ ロボティクスインテグレーション推進室 室長 渡辺真太郎氏

ロボティクス事業への取り組みについては、ロボティクスインテグレーション推進室 室長の渡辺真太郎氏が説明を行った。

NEDOの市場予測によると、国内のロボット市場は2035年には9.7兆円に達し、うちサービスロボット分野が4.9兆円を占め、高成長が予測されているという。同社はこうした市場動向を踏まえ、サービスロボットの普及に向けて、多種のセンサー/ロボット/家電などのデバイスを統一的に接続詞、サービスを実現できるシステム基盤「クラウドロボティクス基盤」を開発した。

「クラウドロボティクス基盤とは、ロボットのさまざまな機能をクラウド基盤上に載せたもの。収集したデータをサービスロボットに渡す役割を担っている」と渡辺氏。

クラウドロボティクス基盤の仕組み

同社はNTT研究所とヴイストンと共同で、各種デバイスやロボットを連携させた新たなサービスの実現性を探るため、さまざまな実験を行っている。その1つがりそな銀行と行った接客支援の実験だ。

2015年11月・12月に、同行の豊洲支店(小人数の行員による週7日営業が特徴)で、ヴイストンのコミュニケーションロボット「Sota」がセンサーと連動して、音声対話による顧客対応を実施した。

具体的には、天井に取り付けられた高感度センサーにより来店者を検知し、執務室にいる行員に通知することで店舗経営をサポートするほか、受付にコミュニケーションロボットを配置して会話内容により来店者にタブレット利用を促すなど、行員が行っていた案内業務をサポートしていた。

りそな銀行豊洲支店における実験の様子

渡辺氏は、代表的なロボット活用シーンの例として「インバウンド消費対応」「スマートハウス/スマートシティ」「オムニチャネル」を挙げ、各シーンにおける課題を説明した。

インバウンド消費対応においては音声言語識別が、スマートハウス/スマートシティにおいてはマルチデバイス連携に伴う処理フロー技術・実行エンジンおよびデバイスの抽象化による統一的管理が、オムにチャネルにおいてはロボットシステム全体にわたるセキュリティの確保とプライバシー保護が課題になるという。

渡辺氏は、こうしたシーンにおいてロボットの活用が推進される理由について「日本科学未来館と行ったアンケート収集の実験では、ロボットを用いたことで、アンケートの回収率が大幅に向上した。タブレットに比べて、人型ロボットのほうがコミュニケーションを促進することがわかった」と語った。

 

Author:マイナビニュース